Nature ハイライト

タンパク質合成:DNA修復キナーゼのこれまで知られていなかった役割

Nature 579, 7798

DNA依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)は、非相同末端結合修復の際にDNA鎖の両末端を並べる働きに関わる重要な因子である。これまでの研究で、DNA-PKはRNAにも結合することが分かっていたが、この結合が持つ生理学的な意味は不明だった。今回、DNA-PKとU3核小体低分子RNAとの結合が、リボソームの生合成に必要なことが明らかになった。この結合の結果、DNA-PKcs(DNA-PKの触媒サブユニット)が自身のT2609残基をリン酸化し、マウスではこの自己リン酸化が造血に必要とされる。これらの作用はどちらも、DNA修復におけるDNA-PKのカノニカルな役割とは無関係である。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度