Nature ハイライト
ナノスケール材料:2層グラフェンにおけるねじれ角の変動の画像化
Nature 581, 7806
2層グラフェンにおいて相関相や超伝導相を観測するには、ねじれ角がちょうど魔法角になるようグラフェンをねじってずらす必要がある。このことが、デバイス作製の難しさや試料ごとの再現性の低さの理由の1つになっている。今回A Uriたちは、画像化法を用いて、質の高い大域的な魔法角物理を示す試料であっても局所的なスケールではねじれ角がかなり変動していることを実証している。ねじれ角の勾配は、ゲート調整可能な大きな電場を生み出すため、相関状態を局所的に変化させる可能性がある。今回の結果は、ねじれ角勾配を利用するバンド構造操作の研究の動機になるとともに、デバイス作製における課題を浮き彫りにしている。
2020年5月7日号の Nature ハイライト
原子物理学:パイ中間子ヘリウム原子
精密測定:多価イオンの重さを測る
ナノスケール材料:2層グラフェンにおけるねじれ角の変動の画像化
物性物理学:垂直熱電発電
流体力学:固体壁を用いずに流れを導く
神経変性:APOE4は早期のBBB崩壊と認知機能低下の原因となる
神経科学:軸索再生におけるハンチンチン遺伝子の役割
幹細胞:再プログラム化によって光受容器を置換する
植物科学:siRNAと植物のストレス応答
疫学:小児期の予防接種が抗生物質消費量に及ぼす影響
膵臓がん:膵臓がんでは、オートファジーを介する機構により腫瘍が免疫を回避する