Nature ハイライト
流体力学:固体壁を用いずに流れを導く
Nature 581, 7806
液体をチャネルに流すには、一般に固体壁を使用する必要がある。しかし、液体相と固体相の相互作用は、達成可能な流量を制限する可能性があるとともに、汚染の影響を受けやすくするため、好ましくないことがある。今回P DunneとT Hermansたちは、固体チャネルを全く用いずに、液体をチャネルに流して制御する新しい方法を報告している。彼らは、磁場を用いて非混和性磁性流体内の水性液体チャネルを安定化させる方法と、磁性部品を追加してポンプ効果を誘起することでチャネル内の流体流を駆動する方法を示している。今回の方法は、扱いに注意が必要な流体の輸送に応用される可能性があり、その例として、従来の蠕動ポンプよりも細胞損傷を大幅に抑制しながらヒトの血液を輸送する方法が示されている。
2020年5月7日号の Nature ハイライト
原子物理学:パイ中間子ヘリウム原子
精密測定:多価イオンの重さを測る
ナノスケール材料:2層グラフェンにおけるねじれ角の変動の画像化
物性物理学:垂直熱電発電
流体力学:固体壁を用いずに流れを導く
神経変性:APOE4は早期のBBB崩壊と認知機能低下の原因となる
神経科学:軸索再生におけるハンチンチン遺伝子の役割
幹細胞:再プログラム化によって光受容器を置換する
植物科学:siRNAと植物のストレス応答
疫学:小児期の予防接種が抗生物質消費量に及ぼす影響
膵臓がん:膵臓がんでは、オートファジーを介する機構により腫瘍が免疫を回避する