Nature ハイライト

膵臓がん:膵臓がんでは、オートファジーを介する機構により腫瘍が免疫を回避する

Nature 581, 7806

膵臓がんでは、オートファジーが主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI分子と抗原提示を減らすことで、免疫回避が促進されることが分かった。今回、A Kimmelmanたちがその仕組みについて報告している。オートファジーの積み荷受容体であるNBR1は、MHCクラスI抗原の選択的な取り込みとその減少に関わっていることが明らかになった。オートファジーを阻害すると、細胞表面のMHCクラスIタンパク質の量が増えて抗原提示が改善され、CD8+ T細胞が仲介する強力な抗腫瘍免疫応答が誘導された。さらに膵管腺がんの前臨床モデルでは、オートファジーの阻害と免疫チェックポイント阻害剤とが協働的に作用することが実証され、今回の知見が治療に関連する可能性が示された。

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