Nature ハイライト
物性物理学:魔法角グラフェンにおける相関相の母状態
Nature 582, 7811
魔法角ねじれ2層系における相関絶縁相や相関超伝導相の起源は、依然として議論の的になっている。予想される機構には、フラットバンドにおける強い電子–電子相互作用や、モット絶縁相から現れる超伝導などがある。今回S Ilaniたちは、魔法角グラフェンにおいて上記2つの相関相を生じさせる、対称性の破れた高エネルギー状態を報告している。この「母」状態は、同じディラックバンドを繰り返し再充填するシジフォス相転移のカスケードを示す。今回観測された状態は、グラフェンにおける超伝導の機構を理解する上でカギとなる。
2020年6月11日号の Nature ハイライト
物性物理学:相関グラフェンにおけるねじれ、スピン、バレー
物性物理学:魔法角グラフェンにおける相関相の母状態
地球科学:山岳の高さを制御する巨大逆断層のせん断力
システム生物学:ワクチンに対する感情のオンライン生態系のマッピング
遺伝学:東アジア人集団の糖尿病リスク
神経科学:視床下部を構築する
発生生物学:基底膜のリモデリングは胚発生に必要である
自己免疫:Notch3シグナル伝達は滑膜繊維芽細胞の病原性において極めて重要である
細胞生物学:心臓の肥大と過形成を制御するスイッチ
生物工学:ナノ液滴中で病原体を検出する
分子生物学:トランスポゾンを抑え込む
構造生物学:SARS-CoV-2のプロテアーゼの構造