Nature ハイライト
細胞生物学:心臓の肥大と過形成を制御するスイッチ
Nature 582, 7811
哺乳類の成体の心臓は損傷後に自己修復できないが、出生直後の短期間は、損傷後も心筋細胞の増殖による心臓の再生が可能である。Meis1は、出生後に心筋細胞の増殖のスイッチを切る働きに関わる転写因子である。H Sadekたちは今回、心筋細胞の肥大と過形成を切り替える分子スイッチを特定した。Meis1はHoxb13と相互作用して協調的に働き、心筋細胞の成熟と増殖を調節することが分かった。また、Hoxb13はカルシニューリン(肥大のメディエーター)によって脱リン酸化され、その結果、核で蓄積して細胞周期の停止を引き起こすことが明らかになった。成体の心臓でMeis1とHoxb13の両方を欠失させると、心筋細胞の細胞周期が再開し、心筋梗塞後の心機能が改善した。
2020年6月11日号の Nature ハイライト
物性物理学:相関グラフェンにおけるねじれ、スピン、バレー
物性物理学:魔法角グラフェンにおける相関相の母状態
地球科学:山岳の高さを制御する巨大逆断層のせん断力
システム生物学:ワクチンに対する感情のオンライン生態系のマッピング
遺伝学:東アジア人集団の糖尿病リスク
神経科学:視床下部を構築する
発生生物学:基底膜のリモデリングは胚発生に必要である
自己免疫:Notch3シグナル伝達は滑膜繊維芽細胞の病原性において極めて重要である
細胞生物学:心臓の肥大と過形成を制御するスイッチ
生物工学:ナノ液滴中で病原体を検出する
分子生物学:トランスポゾンを抑え込む
構造生物学:SARS-CoV-2のプロテアーゼの構造