Nature ハイライト
発生生物学:基底膜のリモデリングは胚発生に必要である
Nature 582, 7811
胚は、着床すると、必須のシグナル伝達機能を提供する基底膜に包まれるようになる。M Zernicka-Goetzたちは今回、Nodalシグナル伝達により活性化されたマトリックスメタロプロテアーゼの作用によって、原腸形成前にこの基底膜に穿孔が開くことを明らかにし、このリモデリングが胚の成長に必要であることを見いだしている。前後軸が確立されて、Nodalシグナル伝達が胚の後側に限定されるにようになると、後側でさらなるリモデリングが起きて原腸形成中に原条の伸長が可能になることが分かった。今回の研究は、モルフォゲンが初期発生中に基底膜リモデリングを調節して胚の成長を可能にする仕組みを明らかにしている。
2020年6月11日号の Nature ハイライト
物性物理学:相関グラフェンにおけるねじれ、スピン、バレー
物性物理学:魔法角グラフェンにおける相関相の母状態
地球科学:山岳の高さを制御する巨大逆断層のせん断力
システム生物学:ワクチンに対する感情のオンライン生態系のマッピング
遺伝学:東アジア人集団の糖尿病リスク
神経科学:視床下部を構築する
発生生物学:基底膜のリモデリングは胚発生に必要である
自己免疫:Notch3シグナル伝達は滑膜繊維芽細胞の病原性において極めて重要である
細胞生物学:心臓の肥大と過形成を制御するスイッチ
生物工学:ナノ液滴中で病原体を検出する
分子生物学:トランスポゾンを抑え込む
構造生物学:SARS-CoV-2のプロテアーゼの構造