Nature ハイライト
人類の移動:日の目を見たコンティキ号
Nature 583, 7817
今回、ポリネシア全域の島民に由来するゲノムデータから、南北アメリカからの遺伝子流動が、リモートオセアニアの人類定着と同時期の紀元1200年頃に起きていたことを示す証拠が得られた。こうしたアメリカ先住民とポリネシア人との接触は1回限りで、ラパ・ヌイ(イースター島)の人類定着よりも前に起こった可能性がある。この結果は、先史時代の南米人とポリネシア人とが航海を介してつながっていた可能性を示すために自作のいかだ「コンティキ号」で実際に航海を行った探検家、故トール・ヘイエルダールの勝利を意味している。
2020年7月23日号の Nature ハイライト
原子物理学:障壁の下をのぞく
物性物理学:グラフェン中の粘性流を室温で画像化
化学:開裂可能な結合を用いた分解可能な熱硬化性樹脂
歴史気候学:ヨーロッパの河川洪水の異常なパターンの出現
人類の移動:日の目を見たコンティキ号
幹細胞:単一細胞レベルで骨髄再構築を調べる
細胞生物学:加齢の特徴
神経科学:カンナビノイドはアストロサイトでの代謝を介して行動を調節する
生物工学:ミトコンドリアDNAの編集を可能にする
遺伝学:RNAの温度感受性修飾