Nature ハイライト
遺伝学:RNAの温度感受性修飾
Nature 583, 7817
N4-アセチルシチジン(ac4C)は、ノンコーディングtRNAやrRNAに広く見られる修飾である。S Schwartzたちは今回、特殊な塩基配列解読技術を用いて、この修飾の位置を全RNA規模で調べた。真核細胞のコーディングRNAではac4Cは見つからなかったが、超好熱アーキアではノンコーディングRNAだけでなく、mRNAにもac4Cが見つかった。その存在量は生育温度に応じてさまざまに変わり、修飾に関わる酵素が欠けると温度に依存した生育阻害が生じた。著者たちは、この修飾が温度適応に役割を果たしていると考えている。
2020年7月23日号の Nature ハイライト
原子物理学:障壁の下をのぞく
物性物理学:グラフェン中の粘性流を室温で画像化
化学:開裂可能な結合を用いた分解可能な熱硬化性樹脂
歴史気候学:ヨーロッパの河川洪水の異常なパターンの出現
人類の移動:日の目を見たコンティキ号
幹細胞:単一細胞レベルで骨髄再構築を調べる
細胞生物学:加齢の特徴
神経科学:カンナビノイドはアストロサイトでの代謝を介して行動を調節する
生物工学:ミトコンドリアDNAの編集を可能にする
遺伝学:RNAの温度感受性修飾