Nature ハイライト
物性物理学:ファンデルワールス磁性体における多体励起子
Nature 583, 7818
最近、二次元単層極限に至るまでの長距離スピン秩序が実証されたことから、ファンデルワールス材料における磁性に注目が集まっている。例えばモアレ励起子の発見によって示されるように、二次元ファンデルワールス材料における励起子物理によって、従来の半導体に見られる特性の枠を超えた特性の操作が可能になる。今回J Parkたちは、こうした進展を組み合わせ、ファンデルワールス材料NiPS3における、スピンと軌道がエンタングルした励起子状態について報告している。この励起子の励起は、Zhang–Rice三重項からZhang–Rice一重項への遷移によって生じる光吸収に起因する。今回の結果は、NiPS3が、コヒーレント多体励起子を研究する理想的なプラットフォームとなることを示している。
2020年7月30日号の Nature ハイライト
天文学:太古の球状星団の残骸
物性物理学:ファンデルワールス磁性体における多体励起子
材料科学:柔軟な傾斜組成単結晶ペロブスカイト
気候科学:気候の10年規模予測の改善
保全生物学:カメラが捉えたサンゴ礁のサメ類の保全状況
神経回路:視床網様核のサブネットワークが明らかに
植物生物学:冬に対処する
コロナウイルス:ACE2トランスジェニックマウスでのSARS-CoV-2の病原性
コロナウイルス:SARS-CoV-2感染のハムスターモデル
神経科学:中枢神経系のレプチンは脂肪の交感神経支配を調節する
生化学:アレスチン複合体の姿を捉える