Nature ハイライト
神経科学:中枢神経系のレプチンは脂肪の交感神経支配を調節する
Nature 583, 7818
アディポカインであるレプチンを欠失したマウス(ob/obマウス)では、食餌摂食量が増加し、運動量や熱産生の低下によるエネルギー消費が減少するために、肥満症になる。P Wangたちは今回、食餌誘導性の肥満症やob/obマウスでのレプチンの完全な欠失によるレプチンの減少が、白色脂肪と褐色脂肪の神経支配の低下と関連することを示している。ob/obマウスにレプチンを長期投与すると、脂肪の交感神経支配が回復して、熱産生の増加が引き起こされ、その結果、耐寒性と体重減少につながった。レプチンは、視床下部領域での脳由来神経栄養因子(BDNF)シグナル伝達を上方調節することで、脳における脂肪の交感神経支配に対するこれらの効果を仲介している。
2020年7月30日号の Nature ハイライト
天文学:太古の球状星団の残骸
物性物理学:ファンデルワールス磁性体における多体励起子
材料科学:柔軟な傾斜組成単結晶ペロブスカイト
気候科学:気候の10年規模予測の改善
保全生物学:カメラが捉えたサンゴ礁のサメ類の保全状況
神経回路:視床網様核のサブネットワークが明らかに
植物生物学:冬に対処する
コロナウイルス:ACE2トランスジェニックマウスでのSARS-CoV-2の病原性
コロナウイルス:SARS-CoV-2感染のハムスターモデル
神経科学:中枢神経系のレプチンは脂肪の交感神経支配を調節する
生化学:アレスチン複合体の姿を捉える