Nature ハイライト
Cover Story:アフリカにおける埋葬:アフリカでの現生人類の既知最古の埋葬を示す遺骨
Nature 593, 7857
表紙は、約7万8000年前の幼児の部分骨格の再現図である。今回M Martinón-Torresたちは、ケニア沿海部のパンガヤサイディ(Panga ya Saidi)と呼ばれる洞窟遺跡でこの遺骨を発見し、それを調べた結果を報告している。発見されたのは、アフリカにおける現生人類の既知最古の意図的な埋葬である。ネアンデルタール人が死者を意図的に埋葬したことは知られているが、初期人類が埋葬を行った証拠はこれまでほとんどなかった。著者たちが「Mtoto(スワヒリ語で「子ども」の意)」と名付けたこの幼児は、3歳ほどで、脚を胸に引き寄せた形で横向きに寝かせられていた。Mtotoは、意図的に掘られたと思われる土坑に埋められており、洞窟の床から掘り出された土で覆われていた。この発見は、中期石器時代の人々が死者をどのように扱ったかについて新たな光を当てるものである。
2021年5月6日号の Nature ハイライト
天体物理学:銀河団Abell 3376の磁場で屈曲したジェット
素粒子物理学:生き残りの機会を得た標準模型
物性物理学:黒ヒ素におけるラシュバ効果と量子ホール効果
気候科学:将来の海水準上昇予測に見られる大きな幅
生態学:アフリカ中部の森林の植物相的および機能的な組成
発生生物学:生体外でのマウスの発生
コロナウイルス:SARS-CoV-2の現在拡散中で懸念されている変異株に対する中和活性
コロナウイルス:BNT162b2ワクチンによって誘発されたSARS-CoV-2中和抗体に対するB.1.1.7変異株の感受性
コロナウイルス:回復期血漿を用いたSARS-CoV-2変異株の交差中和