Nature ハイライト
遺伝学:体細胞変異の正確な検出のためのNanoSeq
Nature 593, 7859
現在の体細胞変異の検出法の大半は、有糸分裂を行う細胞タイプに限定されており、そのエラー率は、単一細胞あるいはごく少数の細胞のみで生じる変異を正確に検出できないほど高いことがある。I Martincorenaたちは今回、二本鎖塩基配列解読法のBotSeqSに基づいて、エラー率が体細胞変異率より2桁低い(10億部位当たり5部位未満のエラー)「NanoSeq」を開発している。これによって、クローン性とは独立に、分化細胞の研究が可能になった。著者たちは、このNanoSeqを多数の幹細胞や、最終分化した細胞タイプおよび組織に適用し、これらの生物学的試料の変異の全体像を調べるとともに、変異率にはわずかなばらつきしかなく、それは細胞分裂の割合とは独立していることを明らかにした。
2021年5月20日号の Nature ハイライト
惑星科学:彗星大気中に存在する鉄とニッケル
惑星科学:彗星2I/ボリソフのコマに見つかった気体状のニッケル原子
化学物理学:極低温化学反応を状態ごとに分解する
化学:酵素を使ってアミドを作る
遺伝学:体細胞変異の正確な検出のためのNanoSeq
コロナウイルス:安価なハンセン病薬がSARS-CoV-2に対する広域スペクトルの抗ウイルス薬となる
コロナウイルス:SARS-CoV-2に対するヒト由来のIgG様二重特異性抗体
生物工学:非ヒト霊長類における塩基編集
細胞生物学:ミトコンドリアの分裂位置が重要
微生物学:結核菌由来VII型分泌装置の完全な構造
分子生物学:顕微鏡で見るテロメア伸長