Nature ハイライト
細胞生物学:ミトコンドリアの分裂位置が重要
Nature 593, 7859
ミトコンドリアの分裂は恒常的な過程であり、新しいミトコンドリアの形成や、マイトファジーによる損傷ミトコンドリアの除去につながることがある。今回S Manleyたちは、この2つの運命の決定を区別する仕組みの解明に取り組んだ。彼らは生細胞の高分解能画像化法によって、機能的、機構的に異なる2種類の分裂を観察した。具体的には、ミトコンドリアの分裂位置がこの細胞小器官の辺縁部にある場合、生じた小さい娘ミトコンドリアは、マイトファジーによって除去される。これに対し、中央部での分裂はミトコンドリアの増殖につながる。どちらのタイプの分裂事象にもダイナミン関連タンパク質1(DRP1)が関わるが、分裂のタイプはDRP1を誘導する膜アダプタータンパク質の違いというレベルで区別される。さらに、中央部での分裂にのみ、アクチンと小胞体を介した前収縮が関与する。
2021年5月20日号の Nature ハイライト
惑星科学:彗星大気中に存在する鉄とニッケル
惑星科学:彗星2I/ボリソフのコマに見つかった気体状のニッケル原子
化学物理学:極低温化学反応を状態ごとに分解する
化学:酵素を使ってアミドを作る
遺伝学:体細胞変異の正確な検出のためのNanoSeq
コロナウイルス:安価なハンセン病薬がSARS-CoV-2に対する広域スペクトルの抗ウイルス薬となる
コロナウイルス:SARS-CoV-2に対するヒト由来のIgG様二重特異性抗体
生物工学:非ヒト霊長類における塩基編集
細胞生物学:ミトコンドリアの分裂位置が重要
微生物学:結核菌由来VII型分泌装置の完全な構造
分子生物学:顕微鏡で見るテロメア伸長