Nature ハイライト

進化学:アスガルド類アーキアの新たなメタゲノム再構築ゲノム

Nature 593, 7860

アスガルド類アーキアは、真核生物に特徴的なタンパク質(ESP)を多数コードしており、アーキアと真核生物の間の進化的関係を解明する試みにおいて重要な上門だと見なされている。今回E Kooninたちは、アスガルド類アーキアのメタゲノム再構築ゲノム(MAG)75例を新たに再構築し、それらを、公開されている87例のMAGと合わせて比較解析を行った結果を報告している。彼らは、アスガルド類アーキアのオルソログ遺伝子のクラスターを構築して系統発生学的解析に用いることで、新たに6つの主要なアスガルド類系統を発見した。著者たちはさらに、アスガルド類アーキアのコア遺伝子の一群を明らかにするとともに、アスガルド類ゲノムの真核生物的特徴を描写している。今回の解析結果は、真核生物がアーキア内に起源を持つのか(生命系統樹の2ドメイン説)、それともアーキアと真核生物が共通祖先らから分岐したのか(同3ドメイン説)という疑問を完全に解決するものではないが、今回示された系統ゲノミクス解析の結果は、真核生物が、アスガルド類内から生じたか、アーキア内のより深い分岐を持つ系統から生じたという筋書き(つまり2ドメイン説)と一致する。

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