Nature ハイライト
幹細胞:脂質代謝と発生を結び付ける
Nature 593, 7860
DGCR8は、マイクロRNA(miRNA)生合成に関与するマイクロプロセッサー複合体のサブユニットである。R Gregoryたちは今回、胚性幹細胞が分化する際に、DGCR8の発現が、DGCR8 mRNAのステムループ構造の下流が関係する選択的転写開始によって調節されることを示している。選択的転写開始の際(例えば、分化中の胚性幹細胞で)、DGCR8アイソフォームにはステムループが含まれず、これによってDGCR8とDROSHAのタンパク質レベルが不均衡になる。その結果、マイクロプロセッサーが凝集し、miRNAレベルが低下し、脂質代謝標的mRNAが増加して、胚葉の指定が変化する。
2021年5月27日号の Nature ハイライト
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進化学:アスガルド類アーキアの新たなメタゲノム再構築ゲノム
神経科学:嗅覚系における、時間情報を用いたにおい源の識別
コロナウイルス:COVID-19の肺の地図
生理学:微生物がもたらす行動の変化
免疫学:健康と疾患における、組織をまたいだ繊維芽細胞の多様性
がん:フェロトーシスの新しい調節因子
細胞生物学:秩序正しく細胞を除去
幹細胞:脂質代謝と発生を結び付ける
構造生物学:ヒトガスダーミンDの高分解能クライオ電子顕微鏡構造