Nature ハイライト
免疫学:健康と疾患における、組織をまたいだ繊維芽細胞の多様性
Nature 593, 7860
繊維芽細胞は、組織に構造的枠組みを提供する細胞であり、創傷治癒、繊維症、がんにおいて重要な役割を担っている。S Turleyたちは今回、バイオインフォマティクスの手法を用いて、健康および疾患の両方のマウスとヒトの試料から新たに作成した、単一細胞データとバルク細胞データを統合して、組織をまたいだ繊維芽細胞の多様性の特徴を明らかにしている。彼らは、全組織に存在する普遍的な繊維芽細胞サブセットが、組織特異的な繊維芽細胞サブセットと共に存在していることを示す証拠を提示している。今回の知見は、共通のリンパ球前駆細胞が摂動や刺激を受けると活性化状態を示す特定のサブセット(B細胞およびT細胞)を生じる、というリンパ球の分野を彷彿とさせる。
2021年5月27日号の Nature ハイライト
天文学:惑星環境下の水素–ヘリウム相の挙動のマッピング
複雑系科学:人はめったに遠くまで出掛けない
進化学:アスガルド類アーキアの新たなメタゲノム再構築ゲノム
神経科学:嗅覚系における、時間情報を用いたにおい源の識別
コロナウイルス:COVID-19の肺の地図
生理学:微生物がもたらす行動の変化
免疫学:健康と疾患における、組織をまたいだ繊維芽細胞の多様性
がん:フェロトーシスの新しい調節因子
細胞生物学:秩序正しく細胞を除去
幹細胞:脂質代謝と発生を結び付ける
構造生物学:ヒトガスダーミンDの高分解能クライオ電子顕微鏡構造