Nature ハイライト
免疫学:CDP–エタノールアミン経路によるTFH細胞分化の転写後調節
Nature 595, 7869
濾胞性ヘルパーT(TFH)細胞は、B細胞を介した体液性免疫を支えるのに重要である。TFH細胞の分化と機能は、ケモカイン受容体CXCR5によって制御されている。CXCR5はTFH細胞をB細胞濾胞へ移動させて胚中心応答と長期生存する形質細胞の産生を促進する。H Chiたちは今回、TFH細胞の発達と機能の転写後機構について報告している。ホスファチジルエタノールアミン(PE)のde novo合成のための経路のいくつかの酵素が、TFH細胞の機能の発達に特異的に重要であることが明らかになった。この代謝経路は、TFH細胞の膜へのPEの空間分布を調節しており、これによって、重要な濾胞ホーミング受容体CXCR5の発現と局在が調節される。著者たちは、シチジン二リン酸(CDP)–エタノールアミン経路を治療標的とすることにより、抗体応答を促進するTFH細胞関連応答を調整して、ワクチンを増強、あるいは選択的に自己免疫疾患を防御できる可能性を示唆している。
2021年7月29日号の Nature ハイライト
天文学:超大質量ブラックホールの背後からのX線エコー
物性物理学:オーバードープ銅酸化物に存在するのは異常金属か正常金属か
有機化学:N-ヘテロ環の官能基化
地球科学:誘発地震活動の管理
神経科学:食物手掛かりが特定のタイプの学習を誘導できる仕組み
神経変性:アストロサイトとミクログリアの協力関係
コロナウイルス:人の移動と非効率な封じ込めが2020年夏のヨーロッパにおいてSARS-CoV-2を拡散させた
コロナウイルス:ヨーロッパでのSARS-CoV-2の拡大
抗体:SARS-CoV-2感染マウスモデルにおけるIgM抗体の有効性
免疫学:CDP–エタノールアミン経路によるTFH細胞分化の転写後調節
構造生物学:雄性稔性を調節するチャネル複合体