Nature ハイライト
構造生物学:雄性稔性を調節するチャネル複合体
Nature 595, 7869
精子の生理学的過程の多くは、受精に関するもの(雌の卵に向かって泳ぎ、その内部に進入するなど)を含めて、カルシウムシグナル伝達により調節されている。カルシウムイオンチャネルのCatSperは精子中にだけ存在しており、性ホルモンであるプロゲステロンにより間接的に活性化される。今回J Wuたちは、内在性のCatSper複合体の構造を報告している。この複合体は、陰イオン輸送体などの他の構成成分を複数持つという予想外の特徴があることが分かった。今回の研究により、より大きな「CatSpermasome」の構造の詳細が明らかになり、雄性稔性に果たすその中心的な役割についての理解が進んだ。
2021年7月29日号の Nature ハイライト
天文学:超大質量ブラックホールの背後からのX線エコー
物性物理学:オーバードープ銅酸化物に存在するのは異常金属か正常金属か
有機化学:N-ヘテロ環の官能基化
地球科学:誘発地震活動の管理
神経科学:食物手掛かりが特定のタイプの学習を誘導できる仕組み
神経変性:アストロサイトとミクログリアの協力関係
コロナウイルス:人の移動と非効率な封じ込めが2020年夏のヨーロッパにおいてSARS-CoV-2を拡散させた
コロナウイルス:ヨーロッパでのSARS-CoV-2の拡大
抗体:SARS-CoV-2感染マウスモデルにおけるIgM抗体の有効性
免疫学:CDP–エタノールアミン経路によるTFH細胞分化の転写後調節
構造生物学:雄性稔性を調節するチャネル複合体