Nature ハイライト

構造生物学:雄性稔性を調節するチャネル複合体

Nature 595, 7869

精子の生理学的過程の多くは、受精に関するもの(雌の卵に向かって泳ぎ、その内部に進入するなど)を含めて、カルシウムシグナル伝達により調節されている。カルシウムイオンチャネルのCatSperは精子中にだけ存在しており、性ホルモンであるプロゲステロンにより間接的に活性化される。今回J Wuたちは、内在性のCatSper複合体の構造を報告している。この複合体は、陰イオン輸送体などの他の構成成分を複数持つという予想外の特徴があることが分かった。今回の研究により、より大きな「CatSpermasome」の構造の詳細が明らかになり、雄性稔性に果たすその中心的な役割についての理解が進んだ。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度