Nature ハイライト
Cover Story:ウマのルーツ:現代の家畜ウマの遺伝的起源
Nature 598, 7882
表紙は、フランスのソルド・ラベイにあるDuruthy岩陰遺跡で発見された、約1万7000年前のマドレーヌ文化中期にさかのぼる3体の馬の彫刻の1つである。家畜化されたウマの遺伝系統は明らかになっておらず、現代の家畜ウマのウマ科の祖先は分かっていない。今回L Orlandoたちは、ユーラシア各地の古代ウマ273頭のDNA解析の結果を提示している。彼らは、この情報を用いて、紀元前2700年頃以降のヴォルガ川とドン川の下流域(現在のロシア)が、ウマの家畜化の中心地であると特定している。今回のデータは、乗馬と戦車の使用が新たに家畜化されたウマの広がりを支え、このウマの系統が、家畜化から約500年以内にユーラシア全域でそれまでの地域個体群の全てと入れ替わったことを示唆している。
2021年10月28日号の Nature ハイライト
物性物理学:強相関励起子絶縁体
エネルギー科学:高速イオン輸送のためのセルロースの分子操作
エネルギーインフラ:ソーラーパネルを探す
古海洋学:210万年前に強化されたインド洋循環
生態学:植物による過去の降水の利用
生理学:電気鍼治療の神経解剖学的機構
神経科学:報酬消費の調節におけるオピオイド系の役割
免疫学:宿主–微生物相の相互作用に対して腸の分泌型IgAが担う機能的役割
免疫療法:がん免疫療法への代謝マイクロバイオームの連携
ウイルス学:VEEVの構造について得られた新たな知見
構造生物学:発生ホルモンによるシグナル伝達のスナップショット