Nature ハイライト
物性物理学:巨大な角度依存磁気抵抗
Nature 599, 7886
トポロジカル磁性体における電荷とスピンの輸送は、スピン配置に敏感で、外部からの摂動によって調節することができる。トポロジカル磁性体をスピントロニクスに応用するには、小さな磁場に対する応答を可能な限り大きくする必要がある。今回J Kimたちは、トポロジカル磁性体のMn3Si2Te6において、その電気伝導性が印加磁場の方向に極めて敏感になる「巨大角度依存磁気抵抗」を報告している。彼らは、この応答の原因が、トポロジカルバンド縮退の制御された解除に起因する、金属から絶縁体への転移であると示している。同一の現象は、同様のトポロジカル磁性体でも起こるはずであり、そうした材料ではさらに大きな応答を実現できる可能性がある。
2021年11月25日号の Nature ハイライト
素粒子物理学:電子がニュートリノのように振る舞うとき
物性物理学:巨大な角度依存磁気抵抗
ナノスケール材料:ペロブスカイトLEDの層状化による効率向上
材料科学:超高硬度の非晶質炭素
言語学:トランスユーラシア諸語の中国起源
遺伝学:50万人近くのエキソームの遺伝的関連解析
神経回路:皮質回路へのヒト特異的な変化
神経変性:パーキンソン病についての新たな手掛かり
がん:コラーゲン受容体DDR1を介した腫瘍の免疫排除
遺伝学:脳細胞中のクロマチンのトポロジー
分子生物学:CRISPRよりも前からあったトランスポゾン