Nature ハイライト
ナノスケール材料:ペロブスカイトLEDの層状化による効率向上
Nature 599, 7886
最高効率のペロブスカイト発光ダイオード(PLED)は、約20%という優れた外部量子効率を達成している。こうしたペロブスカイトは全てバルクの3D材料で、あまり安定ではなく、この問題は、光起電材料としての有用性にも影響していくる。一方、カチオンがインターカレートすることで層構造が形成され、安定性が向上する、ルドルスデン–ポッパー型の擬2Dペロブスカイトも存在する。しかし残念なことに、こうした材料を用いたPLEDの効率は、約15%で頭打ちにとなっている。その原因の1つは、バルク材料内の層の厚さの分布によってキャリア輸送と放射再結合が妨げられるためと思われる。今回D Maたちは、添加剤を介するカチオン堆積戦略を考案している。この戦略によって、得られる材料の層状構造がより均一になり、効率が20%を上回り動作寿命が向上したPLEDが得られた。
2021年11月25日号の Nature ハイライト
素粒子物理学:電子がニュートリノのように振る舞うとき
物性物理学:巨大な角度依存磁気抵抗
ナノスケール材料:ペロブスカイトLEDの層状化による効率向上
材料科学:超高硬度の非晶質炭素
言語学:トランスユーラシア諸語の中国起源
遺伝学:50万人近くのエキソームの遺伝的関連解析
神経回路:皮質回路へのヒト特異的な変化
神経変性:パーキンソン病についての新たな手掛かり
がん:コラーゲン受容体DDR1を介した腫瘍の免疫排除
遺伝学:脳細胞中のクロマチンのトポロジー
分子生物学:CRISPRよりも前からあったトランスポゾン