Nature ハイライト
遺伝学:脳細胞中のクロマチンのトポロジー
Nature 599, 7886
ゲノムの3D核構造を調べるには、Hi-C法などのような塩基配列解読に基づく方法が用いられてきたが、脳のような組織内で特定の細胞タイプのクロマチントポロジーを調べるのは難しかった。今回A Pomboたちは、以前開発したGAM(Genome Architecture Mapping)技術と、免疫選択を組み合わせた免疫GAM(immunoGAM)を開発し、これを未変性のマウス脳組織に由来する特定の細胞集団で使って、クロマチンのトポロジーを調べている。この手法により、細胞タイプ特異的な遺伝子発現パターンに関連する、クロマチンの特異的なコンホメーションが明らかになった。例えば、盛んに転写されているクロマチンや、接近可能なクロマチンを持っている長い遺伝子では、脱凝縮が拡大したり、「ドメインの融解」が起こったりしていた。
2021年11月25日号の Nature ハイライト
素粒子物理学:電子がニュートリノのように振る舞うとき
物性物理学:巨大な角度依存磁気抵抗
ナノスケール材料:ペロブスカイトLEDの層状化による効率向上
材料科学:超高硬度の非晶質炭素
言語学:トランスユーラシア諸語の中国起源
遺伝学:50万人近くのエキソームの遺伝的関連解析
神経回路:皮質回路へのヒト特異的な変化
神経変性:パーキンソン病についての新たな手掛かり
がん:コラーゲン受容体DDR1を介した腫瘍の免疫排除
遺伝学:脳細胞中のクロマチンのトポロジー
分子生物学:CRISPRよりも前からあったトランスポゾン