Nature ハイライト
海洋:海の緑化
Nature 487, 7407
鉄仮説では、鉄を含む塵が海洋の一部に供給されると、植物プランクトンの大増殖が引き起こされ、こうしたプランクトンが死んでから深海へ沈み込むことによって、吸収された炭素が大気との交換から切り離されると考えられている。この仮説についての検証実験では、鉄を加えると、栄養に富むがクロロフィルの少ない水域で、この説のとおりに植物プランクトンが大増殖することを示す明確な証拠が得られている。しかし、植物プランクトンの大増殖の行く末はまだよくわかっておらず、したがって深海へ隔離される炭素の量もはっきりしていなかった。今回、ヨーロッパ鉄肥沃化実験(EIFEX)の間の2004年に調査船ポーラーシュテルンによって集められた複数の証拠が示された。これらの証拠は、大増殖したバイオマスの少なくとも半分が1,000 mより深い所へ沈降しており、鉄散布による肥沃化の結果、炭素が深海へ輸送されたことを示唆している。
2012年7月19日号の Nature ハイライト
海洋:海の緑化
遺伝:胎児ゲノムの非侵襲的スクリーニング
医学:心臓発作が再発のリスクを高める仕組み
遺伝:大腸がんに関連する変異
宇宙:グランドデザイン渦巻銀河を遠方から眺める
物理:核子のクラスター化挙動
材料:硬いメソスケール準結晶構造体
進化:恐竜は温血動物だった可能性がある
医学:マラリア原虫の遺伝的多様性
細胞:翻訳開始の動態