Nature ハイライト

医学:心臓発作が再発のリスクを高める仕組み

Nature 487, 7407

心筋梗塞を起こした患者は、発作が再発するリスクが高い。今回、心筋梗塞および脳卒中はアテローム性動脈硬化を助長することが初めて明らかにされた。心筋梗塞は交感神経系の活性化につながり、それがさらに造血幹細胞および前駆細胞の放出を引き起こすことが実証されたのである。これらの細胞は脾臓中に定着し、アテローム斑を発生させる傾向が強い表現型を示す単球の産生を増加させた。これらの知見は、患者でβ遮断薬による治療が先に行われていた場合は、心筋梗塞後の循環血中の単球の数が少なくなるというデータと相関していた。今回の結果は、単球の供給を妨げるような治療介入はアテローム性動脈硬化を軽減させ、長期的な患者転帰を改善する可能性を示唆している。

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