Nature ハイライト
宇宙:グランドデザイン渦巻銀河を遠方から眺める
Nature 487, 7407
複数の腕からなる羊毛状で、あまり目立たない渦巻構造とは違って、いわゆるグランドデザイン渦巻銀河は目に付きやすい渦巻腕が特徴である。グランドデザイン渦巻銀河は、近傍宇宙には比較的ありふれているが、赤方偏移z > 2では珍しく、このことは初期宇宙の条件では、それほどはっきりしない塊状の銀河が形成されやすいことを示唆している。しかし今回、z = 2.18に位置する遠方のグランドデザイン渦巻銀河Q2343-BX442の観測結果が報告され、この銀河の円盤は力学的に高温であることが示された。高温であることは羊毛状構造に有利な条件だと考えられている。今回のデータからは、この銀河はほかの系との小規模な合体を起こしつつある厚い円盤で、この合体によって短寿命の渦巻構造の形成が促進されている可能性が示されている。
2012年7月19日号の Nature ハイライト
海洋:海の緑化
遺伝:胎児ゲノムの非侵襲的スクリーニング
医学:心臓発作が再発のリスクを高める仕組み
遺伝:大腸がんに関連する変異
宇宙:グランドデザイン渦巻銀河を遠方から眺める
物理:核子のクラスター化挙動
材料:硬いメソスケール準結晶構造体
進化:恐竜は温血動物だった可能性がある
医学:マラリア原虫の遺伝的多様性
細胞:翻訳開始の動態