Nature ハイライト
量子物理学:極低温における反強磁性秩序
Nature 519, 7542
光格子中の極低温原子気体を用いれば、理論や計算はうまく表せない凝縮物質現象をシミュレートできる。今回、光格子補償技術を使って、反強磁性相転移温度のわずか1.4倍という前例のない低い温度でのハバード模型のシミュレーションに成功したことが報告されている。正確な温度は光散乱法を用いて測定された。この温度領域では、今回の系は、最高の理論手法や数値手法でモデリングできる限界に極めて近い。格子補償技術をさらに改良すれば、もっと低い温度が得られる可能性があり、そうなればd波超伝導など他の興味深い凝縮物質現象もシミュレートできるようになるかもしれない。
2015年3月12日号の Nature ハイライト
実験進化学:大きな細胞集団の進化動態
細胞生物学:Notumタンパク質のカルボキシルエステラーゼ活性
免疫学:細菌による侵入ウイルス認識
宇宙物理学:巨大銀河の星形成率
惑星科学:エンセラダスにおける熱水活動の証拠
量子物理学:極低温における反強磁性秩序
進化学:胚葉の年代記
ゲノミクス:発達障害に関連する遺伝子
神経科学:脳の世界観
医学:自然リンパ球はエネルギー消費を増やして脂肪を減らす