Nature ハイライト
医学:自然リンパ球はエネルギー消費を増やして脂肪を減らす
Nature 519, 7542
現在、肥満の発生には遺伝要因や環境要因と共に免疫系も関わっていると考えられている。最近の研究で、脂肪組織のグループ2自然リンパ球(ILC2)が、マウスの肥満発生の要因となることが明らかにされた。今回D Artisたちは、ILC2が、インターロイキン33に応答してメチオニン-エンケファリンペプチドを産生し、エネルギー恒常性に極めて重要な役割を果たしていることを示している。このペプチドによって、白色脂肪組織からベージュ脂肪細胞と呼ばれる特殊化した脂肪細胞集団の出現が促進され、こうした「ベージュ化」過程の結果、エネルギー消費が増加して脂肪蓄積が減少する。
2015年3月12日号の Nature ハイライト
実験進化学:大きな細胞集団の進化動態
細胞生物学:Notumタンパク質のカルボキシルエステラーゼ活性
免疫学:細菌による侵入ウイルス認識
宇宙物理学:巨大銀河の星形成率
惑星科学:エンセラダスにおける熱水活動の証拠
量子物理学:極低温における反強磁性秩序
進化学:胚葉の年代記
ゲノミクス:発達障害に関連する遺伝子
神経科学:脳の世界観
医学:自然リンパ球はエネルギー消費を増やして脂肪を減らす