Nature ハイライト

細胞生物学:ミトコンドリアおよび核での発現を調整する

Nature 533, 7604

ミトコンドリア内膜中のOXPHOS(酸化的リン酸化)複合体は、酸素分子によるNADHの酸化の際に、ADPと無機リン酸からATPを合成して、細胞のエネルギーの大部分を生み出している。OXPHOS複合体は核ゲノムおよびミトコンドリアゲノムの両方にコードされるサブユニットを含むため、この2つの区画の間には遺伝子発現を調整する情報伝達があるに違いないと広く考えられてきた。今回S Churchmanたちは、OXPHOSサブユニットの合成の特徴を明らかにした。核およびミトコンドリアの転写プログラムは、核ゲノムの指示の下で独立に調節されることが分かった。調節は転写段階でなく、翻訳段階で起こり、ミトコンドリアでの翻訳は細胞質のリボソームを介して調節されている。

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