Nature ハイライト
細胞生物学:ミトコンドリアおよび核での発現を調整する
Nature 533, 7604
ミトコンドリア内膜中のOXPHOS(酸化的リン酸化)複合体は、酸素分子によるNADHの酸化の際に、ADPと無機リン酸からATPを合成して、細胞のエネルギーの大部分を生み出している。OXPHOS複合体は核ゲノムおよびミトコンドリアゲノムの両方にコードされるサブユニットを含むため、この2つの区画の間には遺伝子発現を調整する情報伝達があるに違いないと広く考えられてきた。今回S Churchmanたちは、OXPHOSサブユニットの合成の特徴を明らかにした。核およびミトコンドリアの転写プログラムは、核ゲノムの指示の下で独立に調節されることが分かった。調節は転写段階でなく、翻訳段階で起こり、ミトコンドリアでの翻訳は細胞質のリボソームを介して調節されている。
2016年5月26日号の Nature ハイライト
神経科学:ケタミン代謝産物の抗うつ作用
幹細胞:造血幹細胞の形成を解明
がん:ギャップ結合形成阻害剤による転移の減少
細胞生物学:ミトコンドリアおよび核での発現を調整する
宇宙物理学:赤い間欠泉が決める星形成の上限
大気科学:清浄な空気中でのエアロゾル粒子の形成
進化論:ショウジョウバエの精子が巨大な理由
マイクロバイオーム:ヒト腸内細菌相のメタゲノム解析
免疫学:CD4陽性T細胞は神経組織への抗体の移行を可能にする
構造生物学:抗生物質の標的の構造