Nature ハイライト
免疫学:組織常在型記憶T細胞は外来性脂質を取り込んでいる
Nature 543, 7644
組織常在型記憶T(TRM)細胞は皮膚に存在し、そこで病原体から宿主を守っているが、この細胞が一体どうやって長期間生存し続けるのか、その仕組みについては明らかになっていなかった。今回T Kupperたちは、この細胞がセントラル記憶T細胞やエフェクター記憶T細胞に比べると、外来性の遊離脂肪酸の取り込みにより大きく依存していることを報告している。さらに、TRM細胞は脂質の取り込みと細胞内輸送に関わる脂肪酸結合タンパク質4および5(FABP4およびFABP5)などの複数の分子を高いレベルで発現することが明らかになり、マウスとヒトのTRM細胞ではFabp4とFabp5が外来性脂肪酸の取り込みに非常に重要なメディエーターであることが示された。
2017年3月9日号の Nature ハイライト
考古学:シルクロードの謎を解く
遺伝学:長鎖ノンコーディングRNAのカタログ
幹細胞:幹細胞の「健康」はオートファジーによって維持される
分子生物学:TIRRによる二本鎖切断修復の調節
ナノ科学:単一原子の読み書き
地球科学:初期大陸は沈み込みによって形成されたのではない
微生物学:ボルバキア菌による昆虫の生存操作
ワクチン:mRNAワクチンでジカウイルスを打ち負かす
免疫学:組織常在型記憶T細胞は外来性脂質を取り込んでいる
細胞生物学:核ラミナの構造