Nature ハイライト
幹細胞:幹細胞の「健康」はオートファジーによって維持される
Nature 543, 7644
老化している造血幹細胞(HSC)は、若いHSCと同じように血液細胞を再生することができず、特定の細胞系列に偏った分化が見られるようになる。だがこれまでの研究で、オートファジーが代謝ストレスの影響からHSCを守ることが明らかになっている。E Passeguéたちは今回、HSCでオートファジーが起こらなくなるとミトコンドリアが蓄積し、代謝が亢進して、HSCの自己複製能と再生能が妨げられることを明らかにした。このような変化は老化したHSCで見られる変化と似ているが、老化したHSCの約3分の1ではオートファジーが高レベルで起こり、代謝は抑制状態に保たれて、HSCの再生能力の維持を助けている。
2017年3月9日号の Nature ハイライト
考古学:シルクロードの謎を解く
遺伝学:長鎖ノンコーディングRNAのカタログ
幹細胞:幹細胞の「健康」はオートファジーによって維持される
分子生物学:TIRRによる二本鎖切断修復の調節
ナノ科学:単一原子の読み書き
地球科学:初期大陸は沈み込みによって形成されたのではない
微生物学:ボルバキア菌による昆虫の生存操作
ワクチン:mRNAワクチンでジカウイルスを打ち負かす
免疫学:組織常在型記憶T細胞は外来性脂質を取り込んでいる
細胞生物学:核ラミナの構造