Nature ハイライト

構造生物学:Frizzled受容体の構造

Nature 560, 7720

Frizzled受容体はWntシグナル伝達の重要な構成要素で、7回膜貫通タンパク質であるためにクラスFのGタンパク質共役受容体ファミリーに属していると考えられている。F Xuたちは今回、Frizzed 4受容体(FZD4)膜貫通ドメインについて、リガンドが遊離した状態の結晶構造を報告している。FZD4には、GPCRとしては異例な特徴が複数あり、その1つである狭くて親水性の結合ポケットはFrizzledファミリーを通して保存されていて、これがGPCRリガンドの設計をこれまで困難にしてきたと思われる。分子動力学シミュレーションからも、他のGPCRとは異なる活性化機構が示された。この構造は、リガンドが遊離したGPCRの構造として解かれた最初のものに当たると思われ、これまで欠けていたFrizzled受容体の活性を調節する化合物発見の基盤となるだろう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度