Nature ハイライト
神経科学:セロトニンの放出はマウスの社会性を高める
Nature 560, 7720
社会性の基盤を成す神経機構についてはよく分かっておらず、自閉症スペクトラム障害などの疾患での社会性欠如に対する治療法の合理的開発を制限している。R Malenkaたちは今回、マウスにおいて、側坐核(NAc)での背側縫線核(DR)ニューロンからのセロトニン(5-HT)放出の双方向の調整により、社会性がロバストかつ双方向に変化することを示している。彼らはまた、自閉症スペクトラム障害のありふれた遺伝的要因の1つと相同な変異を持つマウスでは、5-HTニューロン特異的な変化が引き起こされて、社会的行動の欠如が誘導されることを見いだした。こうした社会性の欠如は、DR 5-HTニューロンの光遺伝学的活性化によって救済できることから、社会的行動におけるNAc内での5-HT作用のロバストな役割の1つが示された。
2018年8月30日号の Nature ハイライト
基本定数:重力定数が真の値に近づく
神経科学:セロトニンの放出はマウスの社会性を高める
構造生物学:転写複合体の停止状態と活性化状態の構造
天文学:120億年前の星形成
核物理学:中性子過剰核の内部
地球物理学:地震の余震の位置を予測する
免疫学:結核の潜在期から活動性疾患期への移行の理解
細胞生物学:機械的合図の変換
構造生物学:Frizzled受容体の構造