Nature ハイライト
化学生物学:メチオニン部位でのタンパク質官能基化
Nature 562, 7728
システインやリシンなどの求核性残基での選択的なタンパク質共役反応には数多くの方法が報告されている。一方、メチオニンは、別のさまざまなタンパク質官能基化を可能にするかもしれないが、現在利用できる方法の選択肢はほとんどない。今回M Gauntたちは、超原子価ヨウ素試薬を用いてメチオニン部位で選択的な生体共役反応を起こす方法を報告している。この過程では、ジアゾエステルと結合したスルホニウム種が形成され、次にこの種が、さらなる誘導体化の反応性中間体として機能し得る。可視光による光触媒反応を用いれば、ジアゾ基を還元してタンパク質複合体の安定性を高めることも、さらに反応を続けることもできる。これによって、天然生体分子から多様なタンパク質複合体の形成が可能になる。
2018年10月25日号の Nature ハイライト
太陽物理学:長期間にわたる太陽ニュートリノの詳細な観測
固体地球科学:隕石衝突構造にピークリングを作った強度の大きな岩石
持続可能性:食料需要が環境へ及ぼす影響の評価
がん:急性骨髄性白血病治療に有望な基盤
微生物生態学:バチルス属細菌は病原性黄色ブドウ球菌の定着を排除する
生化学:p300アセチルトランスフェラーゼの活性化
天文学:ハッブル定数は5年間以内に精度よく決まる
化学生物学:メチオニン部位でのタンパク質官能基化
神経科学:神経変性における老化細胞の役割
発生生物学:生殖細胞の数を適正に保つ
腫瘍免疫学:LILRB4は腫瘍細胞の浸潤を誘導する