Nature ハイライト
生化学:p300アセチルトランスフェラーゼの活性化
Nature 562, 7728
ヒストンアセチルトランスフェラーゼのp300は転写コアクチベーターで、遺伝子調節エレメントへ誘導され、そこでクロマチンのアセチル化を起こすことで転写を促進する。今回D Panneたちは、IRF3やSTAT1のような転写因子がDNA上で活性化されて二量体化すると、p300の持続的な活性化が起こることを明らかにしている。この活性化機構には、p300の自己阻害性ループが関わっている。リシンを多く含み、本来的に無秩序な構造をとっているこのループがHATドメイン中でトランス自己アセチル化されると、p300が活性化される。この知見は、クロマチン修飾酵素の活性化が転写因子二量体のDNAへの結合に密接に連携している仕組みを説明する例証となる。
2018年10月25日号の Nature ハイライト
太陽物理学:長期間にわたる太陽ニュートリノの詳細な観測
固体地球科学:隕石衝突構造にピークリングを作った強度の大きな岩石
持続可能性:食料需要が環境へ及ぼす影響の評価
がん:急性骨髄性白血病治療に有望な基盤
微生物生態学:バチルス属細菌は病原性黄色ブドウ球菌の定着を排除する
生化学:p300アセチルトランスフェラーゼの活性化
天文学:ハッブル定数は5年間以内に精度よく決まる
化学生物学:メチオニン部位でのタンパク質官能基化
神経科学:神経変性における老化細胞の役割
発生生物学:生殖細胞の数を適正に保つ
腫瘍免疫学:LILRB4は腫瘍細胞の浸潤を誘導する