Nature ハイライト
地球科学:これまで考えられていたよりも大量の地球深部への水の沈み込み
Nature 563, 7731
沈み込み帯における水の循環は、沈み込みは水を地球深部へと輸送する唯一の機構であるにもかかわらずよく分かっていない。水の流量についてのこれまでの見積もりは大きくばらついていて、主に比較的年代の若い海洋プレートの沈み込みが調べられていた。今回C Caiたちは、比較的年代の古い海洋プレートが沈み込んでいる、マリアナ海溝中央部周辺の地殻と最上部マントルの地震学的画像を提示し、マントルの含水に起因すると著者たちが解釈するマントルの低地震波速度域が、モホ不連続面の下約24 kmに広がっていることを明らかにしている。こうした結果は、沈み込む地殻の水の見積もりと合わせて、この地域ではこれまで考えられていたよりも少なくとも4倍多く水が沈み込んでいることを示している。
2018年11月15日号の Nature ハイライト
代謝:NAD+を増やして長寿と繁栄を
医学研究:広範囲中和抗体でHIVリザーバーに挑む
天文学:バーナード星を回る候補惑星
有機化学:オレフィンを用いるアルキル炭素–アルキル炭素結合の形成
地球科学:これまで考えられていたよりも大量の地球深部への水の沈み込み
バイオメカニクス:効率的な筋肉が大型動物の長距離移動を可能にする
微生物学:ショウジョウバエでは腸内微生物相が運動を調節する
海洋化学:海洋の有機硫黄循環の拡大
植物科学:光合成酸素発生反応の中間体構造