Nature ハイライト
植物科学:光合成酸素発生反応の中間体構造
Nature 563, 7731
光合成の際に光化学系IIの酸素発生複合体中で起こる水の酸化は、KokのS状態時計モデルとして知られるサイクルを経て進行すると考えられている。このサイクルの特徴は、4つの準安定状態と1つの過渡状態の存在である。矢野淳子(米国ローレンス・バークレー国立研究所)たちは今回、最先端のX線結晶解析法と分光測定技術を用いて、準安定状態の中間体全てと2つの過渡状態の高分解能構造を解いた。これらの構造が得られたことで、光合成の間に分子状酸素が形成される仕組みがはっきりした。
2018年11月15日号の Nature ハイライト
代謝:NAD+を増やして長寿と繁栄を
医学研究:広範囲中和抗体でHIVリザーバーに挑む
天文学:バーナード星を回る候補惑星
有機化学:オレフィンを用いるアルキル炭素–アルキル炭素結合の形成
地球科学:これまで考えられていたよりも大量の地球深部への水の沈み込み
バイオメカニクス:効率的な筋肉が大型動物の長距離移動を可能にする
微生物学:ショウジョウバエでは腸内微生物相が運動を調節する
海洋化学:海洋の有機硫黄循環の拡大
植物科学:光合成酸素発生反応の中間体構造