Nature ハイライト
ゲノミクス:嗅覚受容体の選択
Nature 565, 7740
マウスの嗅覚受容体は、1000以上の遺伝子からなるファミリーにコードされており、これらの遺伝子は組織化されてクラスターを形成し、ほとんどの染色体にまたがって分布している。成熟した各嗅覚ニューロンで発現するのは1つの嗅覚受容体遺伝子のみである。S Lomvardasたちは今回、選別された嗅覚ニューロンでHi-C実験を行い、嗅覚受容体遺伝子クラスターは特定の染色体間接触を形成し、そうした接触は細胞分化に伴って増えることを見いだした。これらの接触は、転写因子のLHX2やLBD1が結合する、遺伝子間嗅覚受容体エンハンサーによって調節され、その結果、転写活性を持つ単一の嗅覚受容体と相互作用する多数染色体由来スーパーエンハンサーが形成される。これらの知見から、遺伝子発現の調節における染色体のトランス相互作用の役割が機能的に裏付けられた。
2019年1月24日号の Nature ハイライト
ゲノミクス:嗅覚受容体の選択
構造生物学:GABAA受容体の構造
天文学:反復新星を取り巻く巨大な空洞
画像化技術:隠れた物体を見る
発生生物学:維管束形成層の組織化
発生生物学:ホルモンと転写因子との間のネットワーク形成
生化学:Treg機能の代謝調節
免疫学:HIVはメチルトランスフェラーゼを動員して自然免疫による感知を免れる
幹細胞:糖尿病性血管症のモデル系としての血管オルガノイド
骨発達:代謝を骨の生理機能に結び付ける