Nature ハイライト
画像化技術:隠れた物体を見る
Nature 565, 7740
曲がり角の向こう側から音が聞こえることはよくあるが、曲がり角の向こう側を見ることははるかに難しい。しかし、不可能ではない。光は表面で散乱されるために情報を保持しており、コンピューターを用いてこれを再構成することで、直接見ることができない物体に関する情報を明らかにできる。従って反射表面はペリスコープ(潜望鏡)の鏡としての役割を果たすことができ、このタイプの画像化方法はコンピューター・ペリスコープ法(computational periscopy)と呼ばれている。この方法には通常、高価で特殊な装置が必要だが、今回V Goyalたちは、普通のデジタルカメラを用いてコンピューター・ペリスコープ法を実現する手法を実証している。今回の手法を用いて、直接見ることができない隠れた物体の位置とその背後の光景の両方を復元できるようになったのである。
2019年1月24日号の Nature ハイライト
ゲノミクス:嗅覚受容体の選択
構造生物学:GABAA受容体の構造
天文学:反復新星を取り巻く巨大な空洞
画像化技術:隠れた物体を見る
発生生物学:維管束形成層の組織化
発生生物学:ホルモンと転写因子との間のネットワーク形成
生化学:Treg機能の代謝調節
免疫学:HIVはメチルトランスフェラーゼを動員して自然免疫による感知を免れる
幹細胞:糖尿病性血管症のモデル系としての血管オルガノイド
骨発達:代謝を骨の生理機能に結び付ける