Nature ハイライト
免疫学:HIVはメチルトランスフェラーゼを動員して自然免疫による感知を免れる
Nature 565, 7740
RNAのメチル化は、自然免疫系による自己RNAと非自己RNAの識別を促進する。細胞のmRNAは7-メチル-グアノシンによる修飾でキャップされていて、さらに2′O-リボースのメチル化による修飾を受けている。自然免疫センサーのMDA5やRIG-Iなどは、修飾されていないRNAを認識するとインターフェロン系を活性化し、抗ウイルス状態を確立する。Y Bennasserたちは今回、HIVが宿主細胞のメチルトランスフェラーゼFTSJ3を調達して自身のゲノムをメチル化し、それによって自然免疫系のMDA5による感知やインターフェロンの誘導、さらにはHIV複製の阻害を免れることを明らかにした。
2019年1月24日号の Nature ハイライト
ゲノミクス:嗅覚受容体の選択
構造生物学:GABAA受容体の構造
天文学:反復新星を取り巻く巨大な空洞
画像化技術:隠れた物体を見る
発生生物学:維管束形成層の組織化
発生生物学:ホルモンと転写因子との間のネットワーク形成
生化学:Treg機能の代謝調節
免疫学:HIVはメチルトランスフェラーゼを動員して自然免疫による感知を免れる
幹細胞:糖尿病性血管症のモデル系としての血管オルガノイド
骨発達:代謝を骨の生理機能に結び付ける