Nature ハイライト
Cover Story:体内の事情:統合ヒトマイクロバイオームプロジェクトから得られた結果
Nature 569, 7758
統合ヒトマイクロバイオームプロジェクト(iHMPあるいはHMP2)は、ヒトと、ヒトの体に棲むさまざまな微生物の間の相互作用の調査を目的とした米国立衛生研究所による10年にわたるイニシアチブを締めくくる研究である。今週号では、iHMP研究ネットワークコンソーシアムのいくつかのチームが、iHMPによって得られた結果とその分析について報告している。1編の論文でC Huttenhowerたちは、炎症性腸疾患で生じる宿主と微生物の相互作用の動的な変化を調べている。もう1編の論文ではM Snyderたちが、前糖尿病(2型糖尿病につながる可能性のある状態)の患者における宿主と微生物のダイナミクスについて報告している。またPerspectiveでは、iHMPの概略が述べられているとともに、その一連の結果からどのようにして疾患の発症と進行に関する手掛かりが得られ、それらがどのようにして診断と治療を改善する道を開き得るかが浮き彫りにされている。表紙は、ヒトと微生物の相互作用の多様性を想像して描かれたイラストである。(Collection)
2019年5月30日号の Nature ハイライト
がん:神経前駆細胞による腫瘍への浸潤
細胞生物学:小胞体関連分解のミトコンドリア版
実験物理学:熱的な音のホーキング放射
量子物理学:共振器QEDを再考する
エレクトロニクス:ロボットにヒトに似た触覚を
神経科学:小脳ニューロンにおける学習によって誘導されるクロマチン再編成
免疫学:TBK1–STING相互作用の構造基盤
がん:がん関連繊維芽細胞の代謝調節因子
発生生物学:LADの集合
分子生物学:ゲノムの組織化