Nature ハイライト
免疫学:TBK1–STING相互作用の構造基盤
Nature 569, 7758
STINGは、細胞質ゾル中のDNAに対する自然免疫応答において重要な役割を担うタンパク質である。STINGは、リガンドであるサイクリックジヌクレオチドに結合すると、コンホメーション変化を起こし、キナーゼであるTBK1を引き寄せて活性化する。次にTBK1はSTINGおよび転写因子IRF-3をリン酸化する。リン酸化されたこのIRF-3は二量体化して核に移行し、I型インターフェロンの発現を調節する。P Liたちは今回、TBK1–STING相互作用の構造基盤を明らかにしている。彼らは、リン酸化されたSTINGへのTBK1の結合に重要なSTINGのモチーフを特定し、これはIRF-3結合に関与するモチーフとは別のものであった。また、オリゴマー複合体の形成がSTINGの完全な活性化に必要であることが示された。この解析は、がん治療に使われるSTINGアゴニストや、自己免疫治療に使われるSTINGアンタゴニストの開発に重要だと考えられる。
2019年5月30日号の Nature ハイライト
がん:神経前駆細胞による腫瘍への浸潤
細胞生物学:小胞体関連分解のミトコンドリア版
実験物理学:熱的な音のホーキング放射
量子物理学:共振器QEDを再考する
エレクトロニクス:ロボットにヒトに似た触覚を
神経科学:小脳ニューロンにおける学習によって誘導されるクロマチン再編成
免疫学:TBK1–STING相互作用の構造基盤
がん:がん関連繊維芽細胞の代謝調節因子
発生生物学:LADの集合
分子生物学:ゲノムの組織化