Nature ハイライト
がん:神経前駆細胞による腫瘍への浸潤
Nature 569, 7758
C Magnonたちは今回、脳室下帯に由来する中枢神経系神経前駆細胞[ダブルコルチン(DCX)の発現を特徴とする]が、前立腺がんや転移性がんに浸潤することを見いだしている。これらの前駆細胞はそこで神経発生を開始してアドレナリン作動性ニューロンに分化し、腫瘍発生を促進する。マウスにおいて、DCX陽性細胞を前立腺がんから除去すると腫瘍の増殖が抑えられる一方、DCX陽性細胞を移植すると腫瘍発生が促進された。ヒトの前立腺がんでは、DCX陽性神経前駆細胞の密度は、腫瘍のアグレッシブさや浸潤、再発と関連を示す。これらの知見は、成体の神経発生に関する議論にも意味を持つ。
2019年5月30日号の Nature ハイライト
がん:神経前駆細胞による腫瘍への浸潤
細胞生物学:小胞体関連分解のミトコンドリア版
実験物理学:熱的な音のホーキング放射
量子物理学:共振器QEDを再考する
エレクトロニクス:ロボットにヒトに似た触覚を
神経科学:小脳ニューロンにおける学習によって誘導されるクロマチン再編成
免疫学:TBK1–STING相互作用の構造基盤
がん:がん関連繊維芽細胞の代謝調節因子
発生生物学:LADの集合
分子生物学:ゲノムの組織化