Volume 432 Number 7019

Editorials

米共和党議員が提案する科学分野担当予算委員会の一元化は、科学にとってはマイナスだ。

Strength through diversity p.785

doi: 10.1038/432785a

大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)は、議論の経過を広く公開すべきだ。

FishingNULLs secretive controllers p.785

doi: 10.1038/432785b

News

NASAのオキーフ局長が辞任。

NASA administrator quits post to launch career as academic p.787

doi: 10.1038/432787a

国際ハップマップ計画が、逆にデータ利用の妨げとなっていた「全データ公開への同意」条件を緩和。

Relaxed rules open path to genomic data on disease p.788

doi: 10.1038/432788b

米アリゾナ州の石油精製所建設予定地に、アメリカ先住民の重要な遺跡が。

Oil refinery site may be home to ancient relics p.790

doi: 10.1038/432790a

ナノテク産業の急成長で、品質管理が問題に。

Growing nanotech trade hit by questions over quality p.791

doi: 10.1038/432791a

News Features

イスラムの科学:過去を再現

Rebuilding the past p.794

西欧科学に多大な影響を及ぼしたイスラム黄金時代の貴重な科学資料を、ドイツの学者が古代アラビア文書をもとに再現した。

doi: 10.1038/432794a

侵入種:ヒキガエルがやってくる

The toads are coming! p.796

オオヒキガエルはオーストラリアの生態系に危機的影響を与えていると悪評高いが、本当にそうなのだろうか。

doi: 10.1038/432796a

News & Views

化学:動く途中で「固まった」電子

Electrons frozen in motion p.809

窒素分子中にある1個の電子雲の像が捕えられた。今回のスナップショットは極めて短時間に記録されたもので、基本的な分子過程の際に電子雲が変化する様子を捕えることも可能となるかもしれない。highlights 参照。

doi: 10.1038/432809a

伝達性海綿状脳症:新種スクレイピー出現下での管理対策

Scrapie control under new strain p.810

スクレイピーに抵抗性を持つと考えられているヒツジが、異型性の感染症や新たに同定された系統のスクレイピーにかかって死亡している。選抜育種を基盤とする根絶プログラムを再検討しなければならないようだ。

doi: 10.1038/432810a

細胞生物学:鉄を盗む

Iron thievery p.811

細菌は自分が感染する相手から鉄を盗み取る方法を何種類も持っている。しかし、この盗みは不公平なものではない。これを利用して細菌の増殖を抑えるうまい仕組みが哺乳類で新たに見つかった。letters, p.917 参照。

doi: 10.1038/432811a

考古学:魚のせいで大騒ぎ

Much rowing for fish p.813

およそ千年も前、英国では食用にする魚が淡水産のものから海産のものへ変わった。このことの事例史は食べ残しの採集から得られるのだが、その時代の反響を現在にまで伝えている。

doi: 10.1038/432813a

古気候:うららかな北極

A balmy Arctic p.814

漂流する氷島から得られた堆積物の解析から、ほぼ7千万年前の北極海は氷がなく、15℃程度だった可能性がでてきた。この推測には気候モデルに対する難問が含まれている。letters, p.888 参照。

doi: 10.1038/432814a

惑星科学:邪悪な太陽風

An ill solar wind p.814

2003年末に、大規模な太陽嵐が地球の大気に混乱状態を引き起こした。2つの宇宙船によって集められた当時のデータの解析から、この嵐の影響がいかにものすごかったかが明らかになった。letters, p.878 参照。

doi: 10.1038/432814b

細胞生物学:核からぽいっと放り出す

Popping out of the nucleus p.815

細胞核へタンパク質を運び込む仕組みについては、以前に得られた構造データから手がかりが得られている。今回、核から物質を搬出する複合体の構造が明らかにされ、核の外から中、中から外への輸送サイクルの全体像が分子レベルでわかってきた。articles p.872 参照。

doi: 10.1038/432815a

感染性疾患:旧敵の過去と未来

Past and future of an old foe p.817

強い病原性を持つトリインフルエンザが、最近ヒトに感染するようになったことで、新しい世界的な流行病の出現が心配されるようになった。1918年のインフルエンザ大流行時のウイルス伝播の研究は、現代の流行防止措置についての指針となるかもしれない。letters, p.904 参照。

doi: 10.1038/432817b

進化生物学:染色体鎖で丸く収まる

Chromosome chain makes a link p.817

カモノハシの性染色体は、カモノハシの姿と同じく「けったい」である。雄の生殖細胞では、X染色体とY染色体5本がつながって、珍しい1本の鎖状の形をとるのだが、この構造によって精子がまちがいなく作られるのである。letters, p.913 参照。

doi: 10.1038/432817a

Highlight

Articles

生化学:核外輸送複合体の集合の構造基盤

Structural basis for the assembly of a nuclear export complex p.872

doi: 10.1038/nature03144

Letters

宇宙:2003年の「ハロウィーン」太陽嵐から発生するバンアレン帯の極端なひずみ

An extreme distortion of the Van Allen belt arising from the 'Hallowe'en' solar storm in 2003 p.878

doi: 10.1038/nature03116

物理:重いフェルミオン量子臨界点を通したホール効果の形成

Hall-effect evolution across a heavy-fermion quantum critical point p.881

doi: 10.1038/nature03129

物理:X線分光ホログラフィーによる磁気的ナノ構造の非レンズ式結像

Lensless imaging of magnetic nanostructures by X-ray spectro-holography p.885

doi: 10.1038/nature03139

気候:白亜紀後期の北極海の高温

High temperatures in the Late Cretaceous Arctic Ocean p.888

doi: 10.1038/nature03143

地球:中国北部の大陸塊における大陸下部地殻の再循環

Recycling lower continental crust in the North China craton p.892

doi: 10.1038/nature03162

生態:表面に吸着されたリンが植物プランクトンのレッドフィールド化学量論比に及ぼす影響

The impact of surface-adsorbed phosphorus on phytoplankton Redfield stoichiometry p.897

doi: 10.1038/nature03125

公衆衛生:炭疽病流行を阻止するための公衆衛生的なワクチン接種策

Public health vaccination policies for containing an anthrax outbreak p.901

doi: 10.1038/nature03087

公衆衛生:1918年に世界的に流行したインフルエンザの感染力

Transmissibility of 1918 pandemic influenza p.904

doi: 10.1038/nature03063

動物行動:アリの採餌路ネットワークには軌跡の幾何構造による極性がある

Trail geometry gives polarity to ant foraging networks p.907

doi: 10.1038/nature03105

遺伝:Silicibacter pomeroyiのゲノム配列からわかる海洋環境への適応

Genome sequence of Silicibacter pomeroyi reveals adaptations to the marine environment p.910

doi: 10.1038/nature03170

進化:カモノハシの減数分裂時に見られる鎖状になった10本の性染色体は、鳥類のZ染色体および哺乳類のX染色体と共通の遺伝子をもつ

In the platypus a meiotic chain of ten sex chromosomes shares genes with the bird Z and mammal X chromosomes p.913

doi: 10.1038/nature03021

免疫:Lipocalin 2は鉄を取り上げることで細菌感染に対する自然免疫応答を媒介する

Lipocalin 2 mediates an innate immune response to bacterial infection by sequestrating iron p.917

doi: 10.1038/nature03104

医学:リバビリンがC型肝炎ウイルス感染におけるインターフェロン反応率を改善する仕組みのモデル

Modelling how ribavirin improves interferon response rates in hepatitis C virus infection p.922

doi: 10.1038/nature03153

生化学:A型ボツリヌス神経毒素の基質認識戦略

Substrate recognition strategy for botulinum neurotoxin serotype A p.925

doi: 10.1038/nature03123

「Journal home」に戻る

プライバシーマーク制度