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動物行動:アリは軌跡の角度を道標に巣に戻る

Nature 432, 7019

餌を探しに巣から出かけたアリは、見事にシンプルな道しるべシステムを使って巣に戻ることがわかった。アリが残すフェロモンの軌跡は常に同じ角度で分岐していて、アリはその分岐点に来れば、どちらに行けば巣に戻り、どちらに行けば外の世界に出ることになるかをいつでも知ることができる。 イエヒメアリ(Monomorium pharaonis)がつける軌跡の道筋は、角度が常に53度になるように分岐することを、D E Jacksonたちが報告している。そうすると、分岐点まで来たアリが巣を背にしていれば、左右どちらの道もアリの正面の向きに対して同じ角度で折れていることになる。しかし、アリが巣のほうに向かっていれば、左右の道の一方は曲がる角度が大きく、他方は小さくなる。この違いを使えばアリは巣に戻る正しい道を選ぶことができる。 Jacksonたちがさまざまな角度で曲がる軌跡を人工的に作ったところ、分岐の角度が53度から大きく離れるほどアリの混乱の度合いは大きかった。今回の発見は、アリが化学物質の複雑な勾配に頼らずにどうやって方向の情報をフェロモン軌跡に組み込んでいるのかという疑問への答えとなる。

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