Nature ハイライト

Insight:「化合物の宇宙」は最後のフロンティア

Nature 432, 7019

あらゆる小型有機分子を包含する「化合物の宇宙」は非常に広大であり、無限と考えてもいいかもしれない。今週号のInsight特集では、この「化合物の宇宙」のどこに研究の力点を置くべきか、また有用な生物学的活性をもつ分子を探すにはこの「宇宙空間」のどの領域を探検すべきなのかを考える。 これまでに行われてきた「化合物の宇宙」の探索は限られたものだったが、それでも生物学の理解を大きく進展させ、現在使われている多くの薬の開発に結びついた。生物活性をもつ新たな分子の発見からはさらに多くのものが得られそうだが、このような分子の発見の助けになるのは、この宇宙の中で生物学的に関連がある化合物を含む領域に関する理解の進展であろう。今回のInsight特集の6つの論文は、「化合物の宇宙」の探検、天然分子から学べることの考察、膨大な化合物ライブラリーのスクリーニングへのコンピューター利用について論じ、さらにこの広大な化合物の宇宙を探る旅が生物学や医学にどのような利益をもたらすかを考える。 これらの論文は、Nature Publishing GroupとAventis社が共同で開催するユニークな討論会シリーズの第4回、Horizon Symposium on Charting Chemical Space:Finding New Tools to Explore Biology(「化合物の宇宙」の航路図を描く境界領域シンポジウム:生物学探求の新たな手段を求めて)に関連するものである。

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