Volume 482 Number 7386

Editorials

さらに議論や配慮が必要ではあるが、強毒性鳥インフルエンザウイルス論文については、全文掲載のリスクよりも利点が大きい。

Flu papers warrant full publication p.439

doi: 10.1038/482439a

数学者として、また暗号解読や人工知能など幅広い分野で優れた業績を残したアラン・チューリングを、生誕100年に当たり、特集で紹介する。

Turing at 100 p.440

doi: 10.1038/482440a

気候変動懐疑主義者に対して不正な手段で対抗するのは、誤ったやり方であり、科学者にはふさわしくない。

p.440

doi: 10.1038/482440b

News

WHOが、鳥インフルエンザウイルス論文は全面公開すべきとの結論に。

p.447

doi: 10.1038/482447a

厳しい予算削減のため、全米子ども調査(NCS)にも影響が。

p.448

doi: 10.1038/482448a

生命倫理分野の権威ある雑誌の編集者の転職をめぐって、利害抵触との批判が。

p.449

doi: 10.1038/482449a

NIHからの助成金が巨額に上る7人の研究者の名前が明らかに。

p.450

doi: 10.1038/482450a

予算難にあえぐ物理学界が、昨年引退したフェルミ研究所の加速器テバトロンの部品の再利用を。

p.453

doi: 10.1038/482453a

永久凍土から見つかった実から得られた種を使って、30,000年前の植物が開花へ。

Wild flower blooms again after 30,000 years on ice p.454

doi: 10.1038/482454a

News Features

すべてに通じた知性の遺したもの

p.455

チューリングの多彩な業績をたどる。

doi: 10.1038/482455a

箱の中の脳

p.456

ヒトの脳のモデル作成を目指す研究者がいる。

doi: 10.1038/482456a

News & Views

細胞生物学:コラーゲン分泌の仕組みを解明

p.474

細胞のタンパク質は小胞に詰め込まれて細胞外に分泌される。この詰め込み用の装置を調整し、コラーゲンなどの並外れた大きさのタンパク質を小胞に収容できるようにする酵素が、新たな研究によって明らかにされた。

doi: 10.1038/482474a

宇宙物理学:プランク観測衛星の最初の成果

p.475

観測衛星プランクによって得られた初期のデータから、遠方の銀河や天の川銀河の中のダストや、宇宙にある最大級の銀河クラスターの一部に存在するガスの性質についての情報が得られた。

doi: 10.1038/482475a

流体力学:ミストは機会をミスしない

p.476

柔軟な繊維を液滴で濡らすのは、さまざまな応用や生物系にとって重要だが、この現象にについてわかっていることはわずかしかない。新たな研究によって、この問題に解決の光明が投じられた。

doi: 10.1038/482476a

材料科学:光でプログラムされた細胞環境

p.477

ペプチドを高分子ゲルに付着させ、次いでそこから切り離すのには、光で誘発される2種類の反応の組み合わせが使われてきている。この離れ業を応用して、細胞の挙動に対するシグナル伝達分子の影響をin vitroで調べる道が開かれそうだ。

doi: 10.1038/482477a

量子計算:誤り訂正に至るトポロジカルな経路

p.478

量子計算の悩みの種になるのはノイズや小さな誤りである。トポロジー的な考え方を使った方法は誤りに対する感受性を低下させ、実際に使える量子コンピューターの構築への期待を高めている。

doi: 10.1038/482478a

構造生物学:ムスカリン受容体の構造解明

p.480

ムスカリン性アセチルコリン受容体は、神経系の多数の生理的応答を仲介している。このような受容体のうちの2つの構造が解明され、薬剤が結合する仕組みや作用機作などについての手がかりが得られた。

doi: 10.1038/482480a

がん遺伝学:転移後の腫瘍の進化

p.481

マウスとヒトの脳腫瘍の遺伝学的研究から、原発腫瘍と転移巣で見られる変異が同じではないことが明らかになった。このことは、原発巣と転移巣という2つの疾患「区画」について、それぞれ別の治療法が必要である可能性を示唆している。

doi: 10.1038/nature10949

気候変動:縮小中の氷河を詳細に調べる

p.482

融解しつつある氷河は、海水準上昇の一因となっているが、長い時間にわたって氷河の質量減少を測定することは難しい。地球の重力場の変化についての人工衛星データの解析の1つは、まさにこうした測定に相当しており、そこから予想外の結果が得られた。

doi: 10.1038/nature10948

Perspective

情報:コンピュータープログラムをオープンにすることに対する論拠

The case for open computer programs p.485

doi: 10.1038/nature10836

Articles

量子情報科学:トポロジカル誤り訂正の実験的実証

Experimental demonstration of topological error correction p.489

doi: 10.1038/nature10770

細胞:COPII被覆のサイズおよび機能のユビキチンに依存した調節

Ubiquitin-dependent regulation of COPII coat size and function p.495

doi: 10.1038/nature10822

生化学:真核生物と古細菌で高度に保存されたリボソームリサイクリングの構造基盤

Structural basis of highly conserved ribosome recycling in eukaryotes and archaea p.501

doi: 10.1038/nature10829

Letters

宇宙:かにパルサーからの「冷たい」超相対論的ウィンドの急峻な加速

Abrupt acceleration of a ‘cold’ ultrarelativistic wind from the Crab pulsar p.507

doi: 10.1038/nature10793

地球:海水準上昇に対する氷河と氷冠の最近の寄与

Recent contributions of glaciers and ice caps to sea level rise p.514

doi: 10.1038/nature10847

発生:マイクロRNA miR-34はショウジョウバエの老化と神経変性を調節する

The microRNA miR-34 modulates ageing and neurodegeneration in Drosophila p.519

doi: 10.1038/nature10810

細胞:筋幹細胞静止状態のマイクロRNA-489による維持

Maintenance of muscle stem-cell quiescence by microRNA-489 p.524

doi: 10.1038/nature10834

医学:クローン選択が転移性髄芽腫に遺伝的多様性をもたらす

Clonal selection drives genetic divergence of metastatic medulloblastoma p.529

doi: 10.1038/nature10825

医学:DCCは、依存性受容体活性を介して腫瘍進行を抑制する

DCC constrains tumour progression via its dependence receptor activity p.534

doi: 10.1038/nature10708

医学:DCCはp53欠損乳がんの転移を抑制する

Deleted in colorectal carcinoma suppresses metastasis in p53-deficient mammary tumours p.538

doi: 10.1038/nature10790

構造生物学:MLLとJUNDはともにメニンの同じポケットに結合するが、転写には逆の影響を与える

The same pocket in menin binds both MLL and JUND but has opposite effects on transcription p.542

doi: 10.1038/nature10806

構造生物学:アンタゴニストと結合したヒトのムスカリン性アセチルコリン受容体M2サブタイプの構造

Structure of the human M2 muscarinic acetylcholine receptor bound to an antagonist p.547

doi: 10.1038/nature10753

構造生物学:M3ムスカリン性アセチルコリン受容体の構造と動態

Structure and dynamics of the M3 muscarinic acetylcholine receptor p.552

doi: 10.1038/nature10867

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