Nature ハイライト

構造生物学:PIEZOが力に応答する仕組み

Nature 573, 7773

PIEZO1とPIEZO2は哺乳類のイオンチャネルで機械刺激によって活性化され、機械力の電気シグナルへの変換に重要な役割を担っている。この働きには、触覚や呼吸などの多様な生理的過程が含まれている。これらのチャネルの構造についてはある程度の情報が得られているが、力に応じてチャネルが開く仕組みはまだ解明されていない。今回S ScheuringとR MacKinnonたちはクライオ(極低温)電子顕微鏡と高速原子間力顕微鏡を使って、PIEZO1が膜の湾曲状態と張力に応答する仕組みを明らかにしている。お椀形をしたこのチャネルは、このような力によって平たい円盤状になることが分かり、この過程に関わる力の大きさが推定できた。今回の研究ではPIEZO1チャネルの状態は確定できなかったが、このチャネルが哺乳類の細胞膜中で機械力が加えられた場合にそれを感知してゲートを開閉(メカノゲーティング)する仕組みが示唆された。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度