Nature ハイライト
発生生物学:ビタミンCはマウスの繁殖力を高める
Nature 573, 7773
栄養不足が哺乳類の初期発生にどのような影響を及ぼすかは、まだほとんど分かっていない。M Ramalho-Santosたちは今回、ビタミンC産生に不可欠な酵素の機能を遺伝学的に喪失させることで、ビタミンC欠乏がマウスの生殖系列の発生に及ぼす影響を解析している。この欠失を持つマウスは、自身でビタミンCを産生できないため、飲料水中に含まれるビタミンCに依存する。このようにビタミンCを除去した雌マウスに由来する胚では、生殖細胞数と繁殖力の低下が見られた。この異常は、DNA脱メチル化酵素Tet1の欠失後に見られる異常に類似していて、生殖細胞の発生に重要な調節因子を制御するゲノム領域にDNAメチル化プロファイルの異常が生じていた。このように、マウスにおける栄養素の利用可能性は世代間効果を持ち得る。
2019年9月12日号の Nature ハイライト
材料科学:アーキテクテッド・マテリアルの新しい方向
古人類学:新たに発見された380万年前の頭蓋が明らかにするアウストラロピテクス属の起源
構造生物学:触覚が生じる仕組み
構造生物学:PIEZOが力に応答する仕組み
天文学:銀河系中心で噴き出すバブル
ナノスケール材料:ナノスケールでのグラフェンの振動のマッピング
化学:偏った決定
社会科学:オンライン憎悪の復元力
発生生物学:ビタミンCはマウスの繁殖力を高める
ウイルス学:A型インフルエンザウイルスのポリメラーゼの高分解能構造
構造生物学:哺乳類ミトコンドリアに含まれるプロトン輸送性トランスヒドロゲナーゼの構造と作用機構