Nature ハイライト
Cover Story:アジア人のゲノム:ゲノムアジア100Kプロジェクトで得られた最初の参照データセット
Nature 576, 7785
これまで、ヒトの遺伝学研究は主にヨーロッパ人に重点が置かれていて、そうした遺伝学的データセットに含まれる個体間多様性が制限されてきた。ゲノムアジア100Kプロジェクトは、そうしたギャップを埋めるのに大きな役割を果たすことを目的に、10万人のアジア人のゲノムの塩基配列解読と解析を計画している。今回ゲノムアジア100Kコンソーシアムは、このプロジェクトの試験段階で得られたデータ、すなわち、アジア全域の64か国の219のヒト集団に属する1739人から得られた全ゲノム参照データセットを報告している。著者たちは、このデータを用いて、遺伝的変動、集団構造、疾病関連性のカタログを作っている。また、アジアにはかなり大きな創始者集団が存在し、そうした集団から移住によって新たな集団が複数生じたことが明らかになり、これらの集団についてのさらなる研究が、まれな疾患に関連する遺伝子の特定に役立つ可能性が示唆された。
2019年12月5日号の Nature ハイライト
光物理学:例外点での非常に優れたセンシング
物性物理学:グラフェンにおけるハチミツ状の電子流の画像化
エネルギー科学:薄膜熱電体
冶金学:3D印刷のための新しいチタン合金
進化学:中耳進化の異なる道筋
神経科学:視覚を通じて脳地図を更新する仕組み
免疫学:T細胞分化における二次胆汁酸の役割
遺伝子工学:切断を必要としないゲノム編集法の拡張
構造生物学:ATP放出チャネル